Tel:0569-21-1730 浄土真宗 真宗大谷派 坂田山 順正寺
愛知県半田市堀崎町1丁目58番地

2017/12/04 指の首飾りを持つ男

アングリマーラ

 お釈迦様ご在世の時、1人の男がいた。
その男は気が狂ってしまった人殺しだった。かつて彼は社会から不条理な扱いを受け続けていた。人を憎み社会を恨み、その仕返しをしてやろうと誓いを立てた。
人を千人殺してやる。そのひとり一人から指を切り取り、その証としてそれを首飾りとしてやる。 いつしかその男は「アングリマーラ」指で作った首飾りを持つ男と呼ばれていた。

 その男は999人の人間を殺し終えていた。近くの村々の人たちはおびえて、誰もアングリマーラの住む場所へは近寄ろうとしなかった。
またアングリマーラにとっても最後の1人を見つけ出し誓いを達成することが難しくなっていた。皆がそのことを知っていて寄りつかなかったからだ。
 あるときお釈迦様が弟子たちと共にその森を進んでいた。村人たちは釈尊の一行を止めて告げた。
「この先には、アングリマーラという恐ろしい人殺しが住んでいます。
彼は自分の誓いを成就するためには容赦なく誰でも殺すでしょう。
お釈迦様だからといって躊躇することはないでしょう。どうか他の道をお進み下さい。」
 しかし釈尊はいった。
「もし私がこの道を行かないのならば、いったい誰が行くというのか。
ひょっとしたら、その男は私が来るのを待っているかもしれない。
その男が改心して人殺しをやめるかもしれない。」
 そう言って釈尊は道を進んで行かれた。
弟子たちも渋々釈尊のあとをついて行ったものの、ずっと後ろの方から離れてついて行った。

 アングリマーラは大きな岩の上に座っていた。
そこへ釈尊は歩んでいった。 結局そこにはアングリマーラとお釈迦様2人だけになってしまった。

 アングリマーラは、その男の瞳をのぞき込んだ。 純粋で汚れない、それでいて力強く美しい。
彼はそのようなものを見たことがなかった。
「この人間はいったい何者なのか。この私が誰なのか知らないようだ。さもなければ、この道をやって来るはずがない。」
それでいてアングリマーラは思った。
「この男を殺すのはやめておこう。別の人間にしよう。」と。
「止まれ。帰れ。」
 999の指で作られた首飾りをかけたアングリマーラは叫んだ。
「あと1人を殺して一本の指を手に入れればオレの誓いは成就される。おまえが誰だろうと容赦はしない。」
 それでも釈尊は少しずつ近づいていった。

「私を殺したいか。 私はもうすでに多くを落としてきた。
身分や地位、家族や国、野心と期待、護るべきものと執着、それらすべて置き去りにしてきた。
私は、もうどこにも向かっていない。
どこにも動いていない。
私は、私のままだ。
アングリマーラよ、おまえは動き続けているではないか。
アングリマーラよ、止まりなさい。」
(Osho 講話より) 次回のプンダリーカに続く
順正寺 住職

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