Tel:0569-21-1730 浄土真宗 真宗大谷派 坂田山 順正寺
愛知県半田市堀崎町1丁目58番地

イスラム教逸話 その1 ハッサン  あなたの師匠は 2018/03

 イスラム教の偉大なマスター、ハッサンは最後の時を向かえていた。
 多くの弟子たちの中からひとり、立ち上がって最後の質問をした。長い間聞いてみようと思っていたに違いない。今この時を逃せば永遠に聞くことが出来ないと思い切って尋ねてみた。
「我が師匠であるハッサン。 あなたの師匠はいったい誰なのですか。」
 ハッサンは最後の力を振り絞るように答えた。
「私には何千人もの師匠と呼べる人がいる。 しかし、その一人ひとりを話すには、もう時間がない。私の命の灯は消えようとしている。 その中で私が出会った3人の師匠のことを話しておこう。」

ハッサン

 そのひとりは泥棒だった。
私はあるとき砂漠に中で迷ってしまった。ある村に到着できた時にはもう夜遅くになってしまった。すべての家々は閉じられていて、泊まるところを探すのは出来ない状況だった。  しかしひとりの男が暗闇の街の片隅、家の壁に向かって何やらしている。とにかくその男にどこか泊まるところがないか聞いてみた。
「こんな夜中じゃね。オレの所に泊めてやろうか。」
どうやらこの男は泥棒らしい。でもとてもいい人だった。
 その男は日が暮れて出かけるときに。
「オレは仕事に行ってくるから。ここで好きにしてていいさ。寝ていようがお祈りをしていようが」
その男は夜遅くに帰ってきたので、私は尋ねた。
「何か手に入れることが出来たのか?」
「今日は何も!きっと神さまのご意志だから、      きっと明日は何かが起こるかもね。」
この盗人は、決して落ち込んで悲観的になることはなかった。 それ以来、私は毎日修行し瞑想に打ち込んでも、何もその成果を得られないとき、いつも思い出した。この泥棒のことを、
「きっと神さまのご意志だから、      きっと明日は何かが起こるかもね。」
 二人目の師匠は、川辺にいた犬だった。
その時私はとてものどが渇いていた。そしてそこにいた一匹の犬もそうだったようだ。私はそこで起きていた一部始終を見ていたのだ。
 その犬は水を飲もうとのぞき込むと、もう一匹の犬がそこにいた。その犬は恐ろしくなって吠えだし逃げて行ってしまった。もちろんもう一匹の犬はその犬が水に映っていたのだが。 それでも、 のどの渇きに耐えられずに犬は川辺に戻ってきた。やはりその犬はそこにいた。犬の心は揺れていた。恐ろしさが沸き上がってきたり、また勇気を奮い立たせたり。 しかし、犬は勇気を振り絞ってそこにいたもう一匹の犬に飛びかかったのだ。そう、水に飛び込んだのだ。 同時にそこにいたも一匹の姿も消えた。
 私はその時思った。
 これは神さまが教えて下さったのだと、
人は、その時が来たならば、恐れを乗り越えて飛び込まなければならないのだ、と。

 そして、私の3人目の師匠は、
和尚講話より  つづく 

六角堂ステンドグラス

ステンドグラス

↑ PAGE TOP