Tel:0569-21-1730 浄土真宗 真宗大谷派 坂田山 順正寺
愛知県半田市堀崎町1丁目58番地

イスラム教逸話 その2 ハッサン  あなたの師匠は 2018/04

 イスラム教の偉大なマスター、ハッサンは最後の時を向かえていた。
多くの弟子たちの中からひとり、立ち上がって最後の質問をした。 「我が師匠であるハッサン。 あなたの師匠はいったい誰なのですか。」
すると、ハッサンはおもむろに話し出した。
「私には何千人もの師匠と呼べる人がいる。 その中で私が出会った3人の師匠のことを話しておこう。」

ハッサン

そのひとりは泥棒だった。
二人目の師匠は、川辺にいた犬だった。

そして三人目の師匠は、ひとりの子供だった。
 その街に到着したとき、ひとりの子供が明かりを灯したロウソクを大切そうに持ち運んでいた。きっとその村のモスク(イスラム教の寺院)に行ってお供えして祈りを捧げるためだろう。 その時、私はその子供をちょっとからかってやろうと思った。
 その子供を引き留めて話しかけた。 「それは、自分で明かりを灯したのかい?」 子供は足を止めて答えた。 「うん、そうだよ。」
「じゃあ、 君が火を灯す前にはこのロウソクには火はともっていなかったんだろう。」 「もちろんさ。」 「そして、君はこのロウソクに火を灯した。」 「そうさ。」 「じゃあ、いったい。   その火はどこからやって来たんだね。」

 その子供は笑い出した。 そして、ロウソクの火を吹き消して言った。 「じゃあおじさん。  火は、どこへ行っちゃったの。教えてよ。」  その瞬間、私の思いは吹き飛ばされてしまった。 それまで私が学んできたこと、知識や哲学・理論や論法。それらはこの子供の前では、何の役にも立たないことを。  それらは知識ではあるが、それだけでは何の役にも立たないことを。 私には、師匠はいない。 しかし、弟子ではない、ということではない。 この世界そのものが私の師匠であり、私は数え切れないほど多くを学ぶことができたのだ。
和尚講話より  

六角堂ステンドグラス

ステンドグラス

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